QUESTION
経済成長の原動力となる活発な個人消費。国際分散投資の注目ロケーションの中で、可処分所得が多いのはどの都市の人たちでしょう?
ANSWER
モスクワ
所得が増えたとは言え、賃金水準を見るとまだまだ西欧や北米の諸都市とは差があるモスクワ。ところが、市内のあちこちにブランドショップが立つなど、街並みは急速に変貌を遂げつつあります。携帯電話の保有率も100%(※1)を超え、人々はかつてのように市場ではなく、スーパーマーケットでクレジットカードを使って買い物をするようになりました。
では、この急速な暮らしの近代化がなぜ可能だったのでしょう?それを読み解くキーワードが「可処分所得」。2006年のUBSの調査で、給与所得に対する税金や社会保険料の負担比率が世界で最も高い都市はコペンハーゲンで44%でした。一方、モスクワは13%。つまり所得の9割近くを可処分所得として個人消費に回せるのです。
賃金水準
ニューヨークを100としたグロス換算の比較
| コペンハーゲン | |
| ロンドン | |
| 東京 | |
| パリ | |
| モスクワ | |
| ブカレスト | |
| 上海 |
出典:UBSウェルス・マネジメント・リサーチ
「Prices and Earnings 2006(世界の物価と賃金の比較)」
総収入に占める総課税額と社会保険料の比率
| コペンハーゲン | |
| ブカレスト | |
| ニューヨーク | |
| パリ | |
| ロンドン | |
| 東京 | |
| 上海 | |
| モスクワ |
出典:UBSウェルス・マネジメント・リサーチ
「Prices and Earnings 2006(世界の物価と賃金の比較)」
旧ソ連時代の抑制された生活から一変し、所得が増えたことで、ロシアでは人々の労働意欲も高まり、さらに成長を後押ししています。IMFは2007年のGDP成長に触れ、その理由のひとつとして労働生産性の拡大を挙げています。これまでのロシアは天然資源を原動力に発展を遂げ、経済は石油価格の上昇によって支えられてきました。ところが近年では、石油価格が株式市場に与える影響は以前より少なくなっています。政府は経済成長のドライバーを分散・多様化し、銀行業やユーティリティサービスなどに力を入れ、消費やサービスが経済を支える構造に変革しようとしているのです。個人消費主導の安定成長時代に入り、大消費地としても世界から注目が集まるロシア。国家という単位だけでなく、2006年に家計消費が10.7%(※2)も増加した"市民の経済力"に目を向ければ、その成長を身近に感じられるかもしれません。
さて、ロシアはインフラの整備や海外からの直接投資の誘致、貿易、そして技術移転にも積極的に取り組んでいます。2014年の冬季オリンピックの開催地にソチ市が選ばれ、今後、中国で起きたようなインフラブームが起きる可能性もあります。ブラジル、インド、中国とともにBRICsの一員として世界の投資家から注目されるロシア。その動向からこれからも目が離せません。
※1 出典:ロシア・ノーボスチ通信社(2006年7月現在)
※2 出典:ロシア連邦国家統計局
(2007年10月~11月時点での情報です)
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