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純賃金上昇率で見る注目ロケーション

QUESTION

この3年間の「純賃金上昇率」TOP3に国内の2都市がランクされた、国際分散投資の注目ロケーションはどこでしょう?

ANSWER

ブラジル

解説:その"羽振り"の良さは真の経済成長がもたらしたもの?

世界の主要都市の中で、ここ3年間の賃金の伸び率がインドのムンバイと並んでトップなのが、ブラジルのサンパウロ。続く2位にもリオデジャネイロが入っています。

時間当たり純収入 単位:米ドル

順位 都市 2003年 2006年 増加率
1 サンパウロ 2.3 4.6 2倍
1 ムンバイ 0.7 1.4 2倍
2 リオデジャネイロ 1.8 3.3 1.83倍
3 ナイロビ 1.0 1.8 1.8倍
4 プラハ 2.4 4.0 1.71倍
5 オークランド 6.8 11.5 1.69倍
参考 東京 13.6 13.7 1.01倍

出典:UBSウェルス・マネジメント・リサーチ
「Prices and Earnings 2003(世界の物価と賃金の比較)」
「Prices and Earnings 2006(世界の物価と賃金の比較)」
調査期間:2003年2~3月および2006年2~4月

その一方で物価の伸び率もこの2都市がトップ2。生計費の水準は3年前の約2倍となり、西欧や北米の諸都市に近づきました。

物価比較 単位:米ドル

順位 都市 2003年 2006年 増加率
1 リオデジャネイロ 781 1627 2.08倍
2 サンパウロ 852 1635 1.92倍
参考 ベルリン 1541 2067 1.34倍
参考 ブリュッセル 1619 2220 1.37倍
参考 ロサンゼルス 1723 2298 1.33倍
参考 東京 2181 2682 1.23倍

*加重ショッピング・バスケット価格による。
このバスケットは、西欧の消費者の嗜好を重視しつつ122の財とサービスで構成。
出典:UBSウェルス・マネジメント・リサーチ
「Prices and Earnings 2003(世界の物価と賃金の比較)」
「Prices and Earnings 2006(世界の物価と賃金の比較)」

暮らしの中ではプラズマTVなどの輸入製品の販売数が増加し、高級車に乗る人や国外旅行に出かける人が増えています。この事実だけを見ると、ロシア、インド、中国とともにBRICsの一員として世界の投資家から注目されるブラジルの着実な経済発展の様子が垣間見えるようです。

ところが、スイスの国際経営開発研究所が発表した2007年の国際競争力ランキングに目を向ければ、ブラジルは前年からランクを5つ落とし49位に。これはどういうことなのでしょう? その要因のひとつが、レアル高です。為替水準は1ドル2レアルを割り込み、2007年10月には1.80レアル台(※1)に突入しています。レアル高は輸入品価格下落などのメリットを国民生活にもたらす一方で、ブラジル製品の輸出拡大にブレーキをかけているのです。レアルが強くなれば、海外でオレンジやコーヒー、砂糖、大豆、鉱物といったブラジルの基幹産物の値段が上がります。また、工業製品も海外市場での価格競争力が失われるだけでなく、国内市場においても中国や東南アジアから輸入される製品との競争が激化します。1ドル1.50レアル台になれば、工場の閉鎖により多くの失業者が出る可能性も指摘されています。これが引き金となり、国内に存在する治安問題が悪化すればカントリーリスクの低下を招きかねません。

IMFは2007年のブラジルのGDP成長率を4.4%と予測しています。ブラジル統計局が発表した第二四半期のGDPは、前年同期比で5.4%拡大しました。しかし、これはレアル高による輸入増で輸入品の価格が下落し、国内消費の拡大が全体的な成長を牽引したことが大きな要因。新興国への投資には、数字の上の成長性だけでなく、その数字を取り巻く因果関係や内包されたリスクを見抜く目が問われるのです。

※1 1米ドル 1.81ブラジルレアル(2007年10月4日時点)

(2007年10月~11月時点での情報です)

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